所得税の計算方法
1 所得の種類と所得の計算方法
所得には、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10種類があります。
収入と所得は同じであると考えている方もいらっしゃいますが、実際には大きく違うものであることを理解する必要があります。
収入とは、得たお金の総額、額面です。
その収入から、実際に支払った経費や計算上の控除(例えば、給与所得控除)を差し引いたものが所得となります。
2 所得控除について
所得の計算ができたら、次に、所得控除を検討する必要があります。
代表的な所得控除としては、誰でも適用できる基礎控除額をはじめ、社会保険料を支払った場合には社会保険料控除、生命保険料を支払った場合には生命保険料控除、地震保険料を支払った場合には地震保険料控除、障害者である場合には障害者控除、扶養親族がいる場合には扶養控除があります。
参考リンク:国税庁・所得控除のあらまし
しかしこれらの控除の仕組みは複雑で、例えば、基礎控除の場合は、個々人の所得金額によって異なり、2400万円以下の所得金額の場合には48万円の控除、2400万円超~2450万円以下の所得の場合には32万円の控除、2450万円超~2500万円以下の場合には16万円の控除、そして、2500万円超の場合には控除がありません。
参考リンク:国税庁・基礎控除
このように、基礎控除ですら複雑な仕組みとなっています。
所得から所得控除を差し引くことにより、課税所得金額が算出されます。
3 所得税の計算方法
課税所得金額を計算した後は、その金額に一定の税率をかけて所得税を算出します。
日本は、課税所得金額が大きくなるにしたがって税率も高くなる、超過累進税率を採用しており、税率は、5%から45%の7段階に分かれています。
具体的には、課税所得金額が195万円以下部分については5%、195万円超330万円以下の部分については10%、330万円超695万円以下の部分については20%、695万円超900万円以下の部分については23%、900万円超1800万円以下の部分については33%、1800万円超4000万円以下の部分については40%、4000万円超の部分については45%というように税率が上がります。
参考リンク:国税庁・所得税の税率
この計算によって、所得税を算出し、そこから税額控除を差し引きます。
例えば、税額控除の代表的なものとしては、住宅ローン控除があげられます。
以上のようにして、納付すべき所得税が決まります。
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