税務調査の流れ
1 税務調査について
税務調査は、納税者が税務署に提出した申告書の内容が正しいものか確認するために行われます。
申告書作成の根拠となる資料、帳簿、事実関係等から申告書の内容の妥当性がチェックされ、万が一誤りがあれば修正申告及び追加の納税等をすることになります。
調査は大きく分けて、任意調査と強制調査の二つに分類できます。
⑴ 任意調査
任意調査とは、税務署等が通常行う調査で、調査の8割程度はこの任意調査であるといわれています。
任意調査を行う主体は、事案によって、管轄税務署の場合もあれば、国税局の調査部や資料調査課の場合もあります。
任意調査は、事前に税務署から連絡がきて日程調整をしますので、突然納税者の自宅に税務署職員が来るということはありません。
⑵ 強制調査
強制調査は、申告書の内容について悪質な仮装隠蔽がある場合や多額の追加の納税が予想される場合に、強制的に行われる調査です。
捜査令状が出され、基本的に、裁判にかけるための資料を捜索及び差し押さえるために行われます。
強制調査を行う主体は、国税局の査察部です。
納税者は、税務調査を拒否することはできません。
2 税務調査の流れ
⑴ 税務署からの連絡
税務調査のほとんどは、任意調査のうちの一般調査といわれる調査です。
まずは、事前に税務署から納税者又は顧問税理士に連絡があり、税務調査の日程を調整することになります。
調査の日程は、ある程度納税者の都合に合わせることが可能で、通常1週間から数週間後の範囲内で調整することが多いです。
また、事前通知といって、調査の開始日時、場所、目的等が調査官から通知されます。
⑵ 実地調査
税務調査は、その複雑さによって、1日から数日間の間行われます。
調査が行われる時間帯は、通常の場合、午前10時から午後5時までです。
なお、途中午後0時から午後1時まで休憩をはさみます。
税務職員は、納税者からの聞き取りを行い、帳簿書類等を確認します。
通常は、一般的な事業の概要から聞き取りが始まり、具体的な取引やそれを示す帳簿書類についての質問があります。
帳簿書類はその場で写しをとることもあれば、納税者の同意のもと書類を税務署が預かることもあります。
納税者からの聞き取りでは、取引内容の解明ができない場合には、取引先に反面調査を行うこともあります。