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相続税申告と準確定申告
1 相続税申告と準確定申告は別の手続きです
相続税申告は、被相続人の相続財産について、相続税額を計算して申告する手続きです。
相続財産が一定額を超える場合、相続税の申告が必要となります。
参考リンク:国税庁・相続税
他方、準確定申告は、被相続人の亡くなった年の1月1日から相続発生までに、被相続人に所得があった場合に、所得税額を計算して申告する手続きです。
被相続人が生前、確定申告をしていた場合等は、基本的に準確定申告をする必要があります。
参考リンク:国税庁・納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)
どちらも、被相続人の財産、所得に関係する申告ですので、混乱される方もいらっしゃいますが、全く別の手続きとなります。
そのため、相続税の申告のみを行い、準確定の申告を行わなかった場合等には、追徴課税や延滞税等のペナルティーを科せられるおそれがありますので、注意が必要です。
2 相続税申告と準確定申告の期限の違い
相続税申告は、相続発生後から10か月以内に申告をする必要があります。
例えば、令和5年7月10日に相続が発生した場合、基本的に相続税の申告期限は、令和6年5月10日となります。
他方、準確定申告は、相続発生後から4か月以内に申告する必要があります。
例えば、さきほどの相続税と同様に令和5年7月10日に相続が発生した場合、基本的に準確定申告の申告期限は、令和5年11月10日となります。
通常であれば、確定申告は、所得があった翌年の2月15日から3月15日までの間に申告するものです。
相続が発生すると、想定していた時期よりも早くに確定申告をする必要があるため注意が必要です。
また、相続税申告ばかりに集中してしまい、準確定申告のことを失念していたという相続人の方もいらっしゃいます。
相続が発生しましたら、なるべくお早めに税理士に相談したうえで、それぞれの申告の必要があるか、申告する場合にはスケジュールを確認することをおすすめします。
3 相続税申告と準確定申告の関係
これまでに述べた通り、相続税申告と準確定申告は全く別の手続きですが、相続税の算出には、準確定申告による税額の確定が必要となります。
準確定申告によって、被相続人の所得税の納付が必要となった場合、その所得税は、本来被相続人が納めるべき税金といえるので、消極的財産に含まれ、相続税の計算上、債務控除することができます。
他方、準確定申告によって、所得税が還付されることになった場合、その還付金は、被相続人の財産にあたるので、相続税の課税対象となります。
なお、準確定申告に伴う還付加算金は、相続人が準確定申告をすることで初めて生じるものなので、相続税の課税対象とはなりません。
相続税申告が必要という方はもちろん、準確定申告が必要という方も、まずは税理士にご相談ください。