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相続税への対策として遺言を作成するメリット
1 遺産分割を行わずに済む
遺言を作成する最大のメリットは、遺産分割を行うことなく相続税の申告ができる点にあります。
2 遺言を作らないと相続税が高くなる可能性もある
相続税申告が必要な場合、活用すべき特例が大きく二つあります。
これは、配偶者の税額軽減特例と小規模宅地等の特例です。
配偶者の税額軽減特例は、最低でも1億6000万円まで相続税がかからなくなる特例です。
小規模宅地等の特例は、330㎡~400㎡まで土地の評価額を8割~5割減額する特例です。
これらの特例を活用し、相続税の税額を大幅に安くした金額で申告をする場合、申告期限までに遺産分割を終わらせて相続税申告を行うか、申告期限までに遺言書を活用して相続税申告を行う必要があります。
なお、申告期限は、亡くなった日の翌日から10か月です。
遺言がなく、遺産分割協議を行う場合、万が一分割方法で揉めるなどして申告期限に間に合わないと、一度、特例が使えない状態で相続税の申告を行い、遺産分割が終わった後、払いすぎた相続税を返してもらうという手続になってしまうことがあります。
遺言によって分割方法を指定しておくと、申告期限までに遺産分割が終わらないといったことを避けられる点がメリットかと思います。
3 遺産分割が終わるまでにかかる時間
遺産分割は、ご家族の話し合いで決着がつく場合は、1日で終わることもありますし、数か月かかることもあります。
遺産分割がご家族の話し合いで終わらなかった場合は、調停という裁判手続によって解決することになります。
調停は、半年や1年以上かかることもよくあります。
また、調停で終わらなければ審判手続によって、裁判所が結論を出すことになります。
審判となった場合は、話し合いを始めてから5年以上解決までに時間がかかった、ということもあります。
つまり、遺産分割を申告期限までに終わらせて、相続税を安くする特例が使える状態にできるかどうかは、ご家族次第ということになってしまいます。
4 遺言があれば遺産分割は不要
遺言があれば、相続税申告にあたって、遺産分割は必要ありません。
ですので、遺言が見つかったタイミングがよほど申告期限ギリギリでない限り、相続税申告に間に合わせることができますので、相続税を安くする特例を活用することができます。
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